いきるをつくる - たべること、きること、つくること、つかうこと、知ること、感じること


日本には葛の名産地がいくつか挙げられますが、その中でも特に有名なのが奈良になります。

葛の名産地である奈良吉野の名に因んで名づけられるのが吉野葛。

夏から秋にかけて葛の花は開花を迎えますが、こうして7月頃から少しずつ紅紫色の花がお目見えするようになりました。

  “葛の花”  

とても綺麗な葛の花ですが、葛粉の原料となるのはその根の部分。

最近ではお芋のでん粉を代用した葛粉の取り扱いが増えているそうですが、吉田屋さんが使用するのは葛100%の本葛と呼ばれるもの。

葛粉にするまでには多くの工程を経てできあがります。

 

寒さが厳しい冬に、地中深く生えている葛の根を掘り起し、値を繊維状に粉砕して水と混ぜ、根に含まれるでん粉をもみだします。

精製したものが本葛となりますが、1kgの葛の根から出来上がる葛粉は約100g

良質な葛の根が掘れる山も少なくなってきているいま、手間暇かけて作られる本葛は大変貴重なものになっていますね。

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そのような貴重な吉野本葛を今でも大切に作り続けておられるのが、奈良吉野にある吉田屋さんです。

吉田屋さんの起源は明治十年、奈良県吉野にある下市町に開いた小さな和菓子屋さんから始まりました。

百有余年の間、和菓子の技術を生かしながら、吉野葛を使用した葛菓子の製造を行われてきた実績と歴史を感じさせます。

 

開業当時にお菓子を製造していた場所は現在では「おばあちゃんのミニ博物館」に。

中に入ると、お菓子の製造をされていた当時の面影を残しつつ、貴重な資料やお菓子の製造器具などが整然と並んでいました。

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当時の様子をカメラでとらえた貴重な映像も、こちらのおばあちゃんのミニ博物館で見て頂けます。

おばあちゃんのミニ博物館は吉田屋さんへお問合せ頂けると、訪問できるようなので、ご興味のある方はぜひ問い合わせてみてくださいね。

 

葛には体を温め、胃腸を整える効果があると言われています。

昔から漢方薬や精進料理などに使われているイメージをお持ちの方も多いのではなでしょうか。

熱を加えるとぷるぷるとしたとろみや弾力がでてくるので、葛粉を片栗粉の代わりに使うこともできます。

この食感を活かして作った、葛ムースがとくにおすすめです。

ひんやり冷たいのどごしを楽しみながらも、身体絵お冷やし過ぎず温めてくれる葛菓子は夏の冷え対策におすすめの逸品です。

 

他にも吉田屋さんの葛菓子や葛を使った食品を多数ご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。