いきるをつくる - たべること、きること、つくること、つかうこと、知ること、感じること

MISHIM POTTERY CREATION 〈ミシンポタリークリエイション〉

ひとの手と多くの時間を重ねて出来上がった物には、その先に物語がうまれてゆく・・・。

そんな思いから、「将来アンティークになっていけるもの」を目指したmishimの物作りは始まりました。

素材となるのは木や鉄、土、植物。すべて時と共にゆっくりと呼吸し、 変化してゆくものです。

それらと向き合い、手間と時間をかけて丁寧に作りました。

そうして出来上った物に、暮らしの温もりや匂いがついて、魅力のある、特別な物になっていく。

そこに素敵な物語がうまれる事を心から願っています。



fractal [ フラクタル ]


器に小さく刻まれる釉の縮れ。

日本の陶工は、この偶然の現象を「梅花皮 かいらぎ」と名づけ、技法として昇華させてきた。

700年続く美濃の名窯、兵山窯との共作となる「fractal」はプリミティブで力強い梅花皮(かいらぎ)と、クラシカルな西欧の形を合わせた「MISHIM POTTERY CREATION」の新しい試み。

シンプルな曲線の中に静かな力強さを秘めたシリーズです。


Fractal:雲や海岸線、羊歯の葉のように、図形の一部と全体が自己相似となっているようなものを含む、幾何学上の概念。



梅花皮(かいらぎ)


とても不思議な技法です。

形を作った土の上に、泥状にした白い土を塗ります。

そのあと乾燥させ、素焼きにして土の水分を抜くのですが、その時に、形を作った土と、白い土とでは縮む率が違うため、上に塗った白い土にヒビが入ります。

これは、通常の陶芸では失敗作となります。

ですが、梅花皮の面白いところは、この偶然が面白い、美しいという古人の目利き達がいたことです。

そして職人たちによって、偶然をコントロールしてその縮れのヒビをテクスチャーのひとつとして作り上げたのです。

どのくらい時間と労力をかけたのでしょう。

それはわかりませんが、梅花皮を作っている工房は日本でもそう多くはありません。

この日本独自のとてもユニークな技法を使ったのがfractalシリーズです。



使い込む程に愛着が湧く


梅花皮は土そのものの表面に縮れが起きているものです。

その表情を最大限感じていただくために釉薬はごく薄くしかかかっておりません。

そのため、使用していくうちに油や色が染み込んでいきます。

漂白剤である程度落とすこともできますが、その色の入った梅花皮を楽しんでいただくことも、梅花皮の大きな楽しみの一つです。

どんどん使って頂いて世界にひとつの器に仕立て上げてください。